super_moon

春にかえるちゃんこと松本朱希子さんが、ギャラリーモーネンスコンピスで展覧会をしてくれたとき、初めて清水里香さんの香りをモーネに紹介してくれた。「森の香り」というタイトルのオリジナルの香りで、香りのイメージを言葉で表した美しい詩も添えられていて、読んでから小さなボトルを香ってみると、森の中を散歩しているような、そんな感覚になった。秋になって、モーネのイメージで「月の香り」も作ってくださり、宙に浮かぶ月の凛とした月光の印象を香りで組み立ててくださって、その香りは今もコンピスや寺子屋で使っている。

モーネで開講してくださっている「香りの寺子屋」も、植物の精油の説明や効能もわかりやすく、素直に自分の中に入ってくる。材料には、英国から取り寄せた上質な精油が30種類ほどもあって、その時々で自分に合うものと出会えるように思う。

余談だが、私は30代のころアロマオイルを暮しに取り入れていた時期があった。小さな庭で園芸にはまっていて、ハーブやバラの原種など、花より効能のある植物を育てていた。あるとき本で犬の皮膚病に効く実がなるバラがあると知り、それがきっかけでアロマオイルに繋がり、本で知った情報を自己流で使っていた。だからこそ、いつも清水里香さんが作られる香りが、私が知っていたものとは全く違って、まるで印象派の絵のような微妙なトーンの香りだと、いつも感動してしまうと思う。

英国で発達したアロマセラピーだが、清水里香さんのワークショップは、日本の二十四節気に添った組み立てであることが、どこにもないスタイルで、日々の中で「自分でできるバランスを整える知恵」を知ることができると思う。今は、滋賀県の&Anneさんや、モーネのスタッフだった小松美帆さんの実家の喫茶店・サンビームでも開講され、少しずつ清水里香さんの発信が広がっている。